2009年9月21日月曜日

最近の読書(オーウェル氏1984年・藤原新也さんの新刊)

最近はほとんど毎日,湯船に浸かっている。

風呂が快適だということもあるし、

荷ほどきなんかでからだを癒すためでもあるし、

連休である程度時間があるからでもある。

風呂では、ジョージオーウェルの「1984年」を読んでいる。

早川の新訳版。

60年前に書かれたとは信じがたいほど、

読みやすく、テーマも現代にリンクする。

入浴中は、割と気が散らないので、
古典などを読むのに、
本当に大切な場所である。


ほかに最近読んだ本で良かったのは、
現代作家の新刊。

藤原新也「コスモスの陰にはいつも誰かが隠れている」
今までの著作とはかなり違う。肌触りが、
個人的な思いの方に寄っている。

相変わらず「死」についての
観察や考察は彼の大きなテーマであるが、
さらに深くまでのぞき込んだ感じである。

意識を、自分自身に寄せていくと、
今までに出会った出来事、人がふとよみがえり、
ふたたび回路をつないでくれるような、
そんなところを持っている本である。
そして、淋しさだけが残るわけではない、
何かすがすがしくて、吹っ切れる感じ。

私は、藤原さんの作品は、
印度放浪が文庫で出た頃から好きで、
かなり好んで読み続けている。
古い物では「東京漂流」という作品が好きです。

シャープでフェアな視点。
厳しさと優しさのバランス。
そのものを見る姿勢、書く姿勢は、
いつも、自分にとても大切なことを気づかせてくれるのだ。

忙しかろうが、海外旅行に行こうが、
入稿で切羽詰まっていようが、
本はいつも傍らにある。別腹ですね。

ほかに読んだ物で、書くほどではない本も、
あるけど、それはもちろん書かない。

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