最近はほとんど毎日,湯船に浸かっている。
風呂が快適だということもあるし、
荷ほどきなんかでからだを癒すためでもあるし、
連休である程度時間があるからでもある。
風呂では、ジョージオーウェルの「1984年」を読んでいる。
早川の新訳版。
60年前に書かれたとは信じがたいほど、
読みやすく、テーマも現代にリンクする。
入浴中は、割と気が散らないので、
古典などを読むのに、
本当に大切な場所である。
ほかに最近読んだ本で良かったのは、
現代作家の新刊。
藤原新也「コスモスの陰にはいつも誰かが隠れている」
今までの著作とはかなり違う。肌触りが、
個人的な思いの方に寄っている。
相変わらず「死」についての
観察や考察は彼の大きなテーマであるが、
さらに深くまでのぞき込んだ感じである。
意識を、自分自身に寄せていくと、
今までに出会った出来事、人がふとよみがえり、
ふたたび回路をつないでくれるような、
そんなところを持っている本である。
そして、淋しさだけが残るわけではない、
何かすがすがしくて、吹っ切れる感じ。
私は、藤原さんの作品は、
印度放浪が文庫で出た頃から好きで、
かなり好んで読み続けている。
古い物では「東京漂流」という作品が好きです。
シャープでフェアな視点。
厳しさと優しさのバランス。
そのものを見る姿勢、書く姿勢は、
いつも、自分にとても大切なことを気づかせてくれるのだ。
忙しかろうが、海外旅行に行こうが、
入稿で切羽詰まっていようが、
本はいつも傍らにある。別腹ですね。
ほかに読んだ物で、書くほどではない本も、
あるけど、それはもちろん書かない。
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