2009年4月5日日曜日

新入社員のころ

大学を出て新卒として、
教育系出版社に入社した。

入社式や研修の頃、
「すべての価値観を捨ててまっさらな状態で、
仕事を覚えていってほしい」と、
誰か偉い人が言ったことを覚えている。

クリエイティブ系の仕事ではあったが、
今の何倍もとんがっていた私は、
顧客の顔を浮かべて、その対象に伝わる広告や、
告知ビラを作ることにうまく納得できず、
キャッチコピーやタイトルを何度も直されていた。

売り上げの事ばかり重視する企業の体質に、
反抗的な気持ちが先走って、
でも、やりたいようにやった仕事ではうまく成果も上がらず、
何度も何度も、
今までの価値観ががらがら崩れていったと思う。
(自分の価値観をわざわざ捨てようとしなくても、
考え方を変えざるを得ない事態は何度もやってきた)

そこから、いろいろなことを学んで、
自分の信じたものを、
人に納得させる術ももっとうまくなった。

それでも、新しいスーツを着て、
悔しくて時には涙を流して仕事に向き合った、
卒業したての青くてピュアで
やけに反抗的なのに、理論は脆弱な自分が、
今でも好きだ。

そこからスタートしたことを、
常に忘れたくないと思う。
あの頃の自分に恥ずかしくない仕事が、
暮らしが、今、できているだろうか。

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