2008年12月31日水曜日

初めての作品

手元にとても昔に作った一冊の文集がある。
小学校5年が終わる時に、ただ自分のために
自宅でひとりで作ったものだ。

父が会社から貰ってきたマス目のない紙に、
罫線を引いて全て手書きで作った、
画用紙で表紙を作り、下手なイラストとタイトルが入っている。
自分の初めての作品と言えるかもしれない。
特に誰かに見せるあてもなかった。

最初に目次をつけて、
記事の中身は登山のことやスキーのこと、
今年を振り返っての考えや今後の豊富など、
学校で学んだことを元にして、
その時の自分が書き留めておきたい事柄が書いてある。

その年に撮った写真も、
わざわざアルバムから剥がして、
記事に沿った場所に割り付けてある。

レイアウトのことも見出しのつけ方も
何も知らなかったけれど、
その時、何か雑誌のようなものを、
作ってみたかったのだろう。
あまりに拙いものではあるが、
その頃の気持ちをとても大切に思う。

タイトルは直球すぎて恥ずかしい「五年生の思い出」…
もっと何か気の利いたタイトルはつけられなかったかと、
今は思うけれど、その行動力だけはこうして残っている。

それから、中学や高校での文集作りや
長く書き続けている日記など、
高校生の時に、なぜか好きだった数学の先生に
ずっと提出し続けた小論文の課題。
書くことは仕事になる前からいつも自分のそばにあった。

大学生のときに、制作プロダクションでアルバイトを始めて、
最初に印刷物に自分の書いた文章が載り、
さらには会社に入って、個人で、
雑誌から広告までさまざまなものに携わり、
誌面を考えたり文章を書くことが、
仕事として成立していった。

いろんな局面に立たされながらも、
また、不安定で別の仕事を並行したりしながらも、
なんとか今も続けられていることに、
純粋に感謝したいと思う。

来年、この仕事を始めて
驚くことに20周年を迎える。

丈夫な体を持ち、生涯現役でいたいと、
それだけが、新しい年に向けての願いだ。

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